都内の中古マンション平均1.2億。変動金利の「5年ルール」を知らずに借りた自分が、今思うこと
変動金利の5年ルール・125%ルールの落とし穴を実体験とシミュレーションで解説。まず自分の銀行が適用かどうか確認を
都内の中古マンション、平均1億2,000万円。
2026年2月のニュースを見た瞬間、思わず声が出ました。「買える人、いるのかな」と。
8年前、自分が中古マンションを買ったとき、物件価格は3,500万円でした。それでも高いと思って、3,000万〜5,000万の間で何件も内見を回った記憶があります。
あの3,500万が、今は1億2,000万。3.4倍。同じ物件の話ではないにせよ、東京のマンション市場がどれだけ変わったか。数字が現実離れしすぎていて、ニュースを見ても実感が湧きません。
そして、今の変動金利は1%を超えました。自分が借りた2018年頃は0.45%だったのに。
マンション価格は3.4倍。金利は2倍以上。これから家を買う人、本当に大丈夫なのか。そして既に変動金利で借りている人——自分を含めて——は「5年ルール」の意味を正しく理解しているのか。
さて。

8割が変動金利を選んでいるという事実
住宅金融支援機構の調査を見ると、2026年1月時点で変動金利を選んでいる人は約75%。国土交通省の2025年度調査だと84.3%。5人に4人が変動金利です。
自分もそのひとり。
2026年4月時点の主要銀行の変動金利はこうなっています。
| 銀行 | 適用金利(最優遇) |
|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 0.945% |
| 三井住友銀行 | 1.275% |
| みずほ銀行 | 1.225〜1.675% |
| PayPay銀行 | 0.980% |
| auじぶん銀行 | 1.134% |
| 住信SBIネット銀行 | 1.200% |
15年ぶりに適用金利1%超えの時代に突入した、とニュースが報じています。
自分がPayPay銀行で借り換えたときは0.6%でした。今の新規借入は0.98%。同じ銀行で借りても、もうあの条件には戻れません。
「5年ルール」を銀行は教えてくれなかった
正直に書きます。
自分が変動金利で3,000万円を借りたとき、「5年ルール」の説明は受けていません。不動産屋に軽く聞いた記憶はありますが、銀行からは手続きの説明だけでした。
8割の人が変動金利で借りていて、そのうち何割がこのルールを正しく理解しているのか。たぶん、かなり少ないと思います。
だから、ここでちゃんと説明します。
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という2つの仕組みがあります。
まず5年ルール。変動金利は半年ごと(4月と10月)に金利が見直されますが、月々の返済額は5年間変わりません。金利が0.6%から1.5%に上がっても、毎月の引き落とし額は同じ。
「え、それなら安心じゃないですか」と思った方。ここが罠です。
返済額は同じでも、中身が変わっています。利息の割合が増えて、元金の返済が進まなくなる。毎月ちゃんと払っているのに、借金が減らないという状態が起きます。
極端な例を出すと、金利が急上昇した場合、月々の返済額では利息すら賄えなくなることがある。これが「未払い利息」です。毎月返済しているのに残高が増えていく。ホラーみたいな話ですが、仕組みとしてはあり得ます。

125%ルールも「安全装置」ではない
次に125%ルール。5年後に返済額が見直されるとき、増額の上限が前回の125%(1.25倍)に制限されます。
月15万円なら、最大でも18万7,500円まで。一気に倍になることはない。
でもこれ、返済の先送りにすぎません。
125%に制限された分、本来払うべき元金が後ろに押し出される。35年の返済期間が終わったとき、残った元金と未払い利息は一括返済です。最悪の場合、自宅を売るしかなくなる。
5年ルールと125%ルールは「返済額のショックを和らげるクッション」であって、「借金が減る仕組み」ではありません。
ソニー銀行には5年ルールがなかった
ここで、自分の経験を書きます。
自分は最初、ソニー銀行で変動金利0.45%(+ワイド団信0.2%で実質0.65%)で借りていました。その後、ソニー銀行の金利が0.9%に上昇。ワイド団信込みで1.1%になりました。
で、気づいたのは「いつの間にか返済額が上がってた」こと。通帳を見て、一瞬何の引き落としかわからなかった。住宅ローンの口座なのに、ちょっと額が違う。調べたら金利変動で返済額が増えていました。焦るというより、呆然。
あれ?5年ルールがあるんじゃないの?
実はソニー銀行は5年ルール・125%ルールが適用されない銀行でした。金利が上がったら、即座に返済額に反映される。知らなかった。
SBI新生銀行も同じく非適用です。自分の銀行がどちらのタイプか、確認していない人は今すぐ調べたほうがいいです。
結局、自分はPayPay銀行に借り換えて0.6%に落ち着きました。通常の団信にも通って、ワイド団信の上乗せ分(年間約6万円)もなくなった。これは借り換えて良かったケースです。
金利が上がったら、月々いくら増えるのか
ここからはシミュレーションです。
日銀の政策金利は現在0.75%。野村證券のメインシナリオでは2027年に1.5%到達。変動金利の適用金利は1.5〜2.5%まで上がる可能性があります。
都内の中古マンションを買う場合の、借入額別シミュレーションを作りました。当初金利0.5%・35年返済で借りて、5年後に金利が上がった場合の月々返済額の変化です。
借入5,000万円(城東・城北エリアの相場帯)
| 5年後の金利 | 月々返済額 | 当初との差額(月) | 年間の負担増 |
|---|---|---|---|
| 0.5%(変わらず) | 129,793円 | — | — |
| 1.0% | 139,532円 | +9,739円 | +約12万円 |
| 1.5% | 149,718円 | +19,925円 | +約24万円 |
| 2.0% | 160,346円 | +30,554円 | +約37万円 |
借入7,000万円(城南・城西エリアの相場帯)
| 5年後の金利 | 月々返済額 | 当初との差額(月) | 年間の負担増 |
|---|---|---|---|
| 0.5%(変わらず) | 181,710円 | — | — |
| 1.0% | 195,345円 | +13,635円 | +約16万円 |
| 1.5% | 209,605円 | +27,896円 | +約33万円 |
| 2.0% | 224,485円 | +42,775円 | +約51万円 |
7,000万円を変動で借りて、金利が2%になったら月4万円以上の負担増。年間で51万円。これは手取りに直結するインパクトです。
そして都心3区(千代田・中央・港)の平均は70m²換算で約1億6,000万円(不動産経済研究所調べ)。8,000万円借りて金利2%なら月4.9万増、年間59万円増。
数字を見て思うのは、今の東京でマンションを買うのは相当なリスクだということです。
「低金利でマンション代が釣り上がった」構造
自分がマンションを買った2018年頃、変動金利は0.4〜0.5%でした。金利が安いから月々の返済は楽。でも不動産屋もそれをわかっている。
「月々の返済額が同じなら、物件価格が高くても買える」という心理を使って、価格がどんどん吊り上がっていった。低金利で浮いた分が、そのまま不動産価格に乗っていた感覚です。
金利が安くても、物件が高い。結局トントン。当時はそう思っていました。
でも今は、金利も上がっている。マンション価格も上がっている。両方高い。
さすがに今は買い時じゃない、というのが自分の正直な感想です。金利の上昇に合わせてマンション価格が下がらないと、誰も買えなくなる。
ただ、不動産ってギャンブル要素が強すぎる。「今買わないと一生買えない」と2018年にも言われていたし、実際にあの時買って正解だった。自分の3,500万は今4,500〜5,000万くらいの価値があるかもしれません。
結論としては、「変動金利が2%になっても返せる金額で借りること」。シンプルすぎてつまらないけど、自分が8年かけて出した答えはそれでした。

変動金利の人が今やるべきこと
既に変動金利で借りている人に向けて、自分がやっていることを書きます。
まず一個。自分の銀行が5年ルール適用かどうか確認する。ソニー銀行やSBI新生銀行みたいに、非適用の銀行がある。自分はこれを知らなくて、いつの間にか返済額が上がっていた。8年前の自分に教えてやりたい。
あとは固定金利の動向。変動との差が縮まってきたら、借り換えを検討するタイミングです。今はまだ変動のほうが安いけど、差は確実に縮まっています。
一番大事なのは、自分なりの「判断ルール」を先に決めておくこと。自分の場合は「2%台で見直し、3%超えで一括返済を検討」。ルールがないと、金利が上がるたびに不安になるだけです。金利が上がったときに慌てて判断すると、だいたいロクなことにならない。
数字を見て判断する、の繰り返し
8年前に3,500万で買ったマンション。変動金利0.45%でスタートして、途中で0.9%に上がって焦って借り換えて、今は0.6%。
あの判断が正しかったかは、結果論でしかわかりません。
ただ、5年ルールを知らなかった自分と、知った上で判断できる自分では、次の金利上昇への対応が全然違います。
不動産も金利もギャンブル要素が強い。だからこそ、ルールを知っておく。数字を見て判断する。8年かけて学んだのは、それだけです。
変動金利を借りている側の正直な気持ちは、Noteに書きました。計算では見えない部分の話です。
※この記事は個人の体験と調査に基づくものであり、投資・不動産の助言ではありません。住宅ローンの判断は各自の状況に合わせてご検討ください。
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